小西真理子准教授が編著者を務める論文集が8月末日に刊行されます。
【著書説明】
愚かな人生はある。不可解な生活もある。無価値な生もあるだろう。 しかし/だから、狂おしい思いで、その狂える倫理を書きとめる。何かが狂う。何かが正される。そして何かが動きだす。若き友人たちの本ができあがった。
ー小泉義之(立命館大学名誉教授)
【目次】
まえがき(小西真理子)
第Ⅰ部 「愚か」な生を肯定する――家族論再考
第1章 「不幸」の再生産――世代間連鎖という思想の闇(小西真理子)
はじめに――自分の子どもに同じ想いをさせたくない
1 児童虐待における世代間連鎖という思想
2 加害者予備軍という烙印
3 被虐待経験者の中絶と胎児の無化への抵抗
第2章 「カサンドラ現象」論――それぞれに「異質」な私たちの間に橋を架けること(髙木美歩)
はじめに
1 カサンドラ現象の歴史とその主張
2 ASANによるカサンドラ現象批判
3 近代における「愛」とコミュニケーションをめぐる規範
4 「正常」なるものへの批判
おわりに
第3章 ケア倫理における家族に関するスケッチ――「つながっていない者」へのケアに向けて(秋葉峻介)
はじめに
1 ケア倫理とフェミニズム
2 ケア倫理における家族
3 「ドゥーリア」モデルの見落とし
4 それでもなぜ家族なのか
おわりに――「家族倫理」のゆくえ
第4章 「私の親は毒親です」――アダルトチルドレンの回復論の外側を生きる当事者を肯定する(高倉久有・小西真理子)
はじめに 毒親概念による救済――ミナさんのライフヒストリー
1 AC概念の特徴
2 毒親概念を肯定する
3 毒親概念批判への応答
おわりに
第5章 生み捨てられる社会へ(貞岡美伸)
はじめに
1 小泉義之著『生殖の哲学』から
2 「生み落とせない」事態
3 生むことへの方策
おわりに
第Ⅱ部 「不可解」な生を肯定する――周縁からのまなざし
第6章 狂気、あるいはマゾヒストの愛について――一九五〇年代『奇譚クラブ』における「女性のマゾヒズム」論を読む(河原梓水)
はじめに
1 吾妻新と古川裕子
2 「夜光島」という思考実験
3 ユートピアの成立
4 マゾヒストの愛
5 近代性の要求と免罪
おわりに
第7章 戦後釜ヶ崎の周縁的セクシュアリティ(鹿野由行・石田仁)
はじめに
1 「釜ヶ崎銀座」界隈
2 飛田本通り商店街界隈
3 新開筋商店街界隈
4 飛田遊郭大門・「地獄谷」界隈
おわりに
第8章 ひきこもりから無縁の倫理、あるいは野生の倫理へ(小田切建太郎)
はじめに
1 山ゆかば――Pの経験から
2 居場所の無縁性
3 無縁の倫理、あるいは野生の倫理
おわりに
第9章 動物と植物と微生物のあいだ――『妖怪人間ベム』があらわす反包摂の技法(山本由美子)
1 『妖怪人間ベム』はいまだ読み解かれていない
2 『妖怪人間ベム』の来し方
3 「妖怪人間」とバイオテクノロジー――卵なき誕生
4 母なき繁殖――攪拌と分岐
5 動的編成――性なき遺伝的乱行
6 人間になりたい、いや、人間にはならない
7 失踪の後――来るべき他者
第Ⅲ部 「無価値」な生を肯定する――障害と優生思想
第10章 看護再考――〈大人〉たちへのアンチテーゼ(柏﨑郁子)
はじめに――〈大人〉たちの愚かさを拒絶する
1 看護師が行う看護という概念の構築
2 ナイチンゲールをあらためて読む
3 vital powersを助ける
4 〈老人〉の沈黙に学ぶ
おわりに――無条件の善のための〈こまごま〉したこと
第11章 パラリンピック選手の抵抗の可能性と「別の生」(北島加奈子)
はじめに
1 パラリンピックの起源をめぐる言説と「客観的な」クラス分けがはらむ恣意性
2 フーコーに見るキュニコス派の「別の生」
3 パラリンピックにおける「別の生」の可能性とピアーズの「闘いの生」
おわりに
第12章 脳・身体・音声言語――「正常/異常」の区別を越えて(田邉健太郎)
はじめに
1 前史――「二つの視覚システム」説
2 音声言語処理の二重経路モデル――言語理解と身体性はいかなる経路で処理されるのか
3 言語理解の解明に向けて――言語学と脳科学はどのような関係にあるべきか
4 「正常/異常」の区別を越えて――言語学に対する批判
おわりに
第13章 今いる子どもと未来の子どもをめぐる光と闇――先天性代謝異常等検査と出生前診断のもたらすもの(笹谷絵里)
はじめに
1 国民優生法と優生保護法における出生予防
2 先天性代謝異常等検査の対象となった病気と出生前診断
3 先天性代謝異常等検査の現状
あとがき(河原梓水)
第Ⅰ部 「愚か」な生を肯定する――家族論再考
第1章 「不幸」の再生産――世代間連鎖という思想の闇(小西真理子)
はじめに――自分の子どもに同じ想いをさせたくない
1 児童虐待における世代間連鎖という思想
2 加害者予備軍という烙印
3 被虐待経験者の中絶と胎児の無化への抵抗
第2章 「カサンドラ現象」論――それぞれに「異質」な私たちの間に橋を架けること(髙木美歩)
はじめに
1 カサンドラ現象の歴史とその主張
2 ASANによるカサンドラ現象批判
3 近代における「愛」とコミュニケーションをめぐる規範
4 「正常」なるものへの批判
おわりに
第3章 ケア倫理における家族に関するスケッチ――「つながっていない者」へのケアに向けて(秋葉峻介)
はじめに
1 ケア倫理とフェミニズム
2 ケア倫理における家族
3 「ドゥーリア」モデルの見落とし
4 それでもなぜ家族なのか
おわりに――「家族倫理」のゆくえ
第4章 「私の親は毒親です」――アダルトチルドレンの回復論の外側を生きる当事者を肯定する(高倉久有・小西真理子)
はじめに 毒親概念による救済――ミナさんのライフヒストリー
1 AC概念の特徴
2 毒親概念を肯定する
3 毒親概念批判への応答
おわりに
第5章 生み捨てられる社会へ(貞岡美伸)
はじめに
1 小泉義之著『生殖の哲学』から
2 「生み落とせない」事態
3 生むことへの方策
おわりに
第Ⅱ部 「不可解」な生を肯定する――周縁からのまなざし
第6章 狂気、あるいはマゾヒストの愛について――一九五〇年代『奇譚クラブ』における「女性のマゾヒズム」論を読む(河原梓水)
はじめに
1 吾妻新と古川裕子
2 「夜光島」という思考実験
3 ユートピアの成立
4 マゾヒストの愛
5 近代性の要求と免罪
おわりに
第7章 戦後釜ヶ崎の周縁的セクシュアリティ(鹿野由行・石田仁)
はじめに
1 「釜ヶ崎銀座」界隈
2 飛田本通り商店街界隈
3 新開筋商店街界隈
4 飛田遊郭大門・「地獄谷」界隈
おわりに
第8章 ひきこもりから無縁の倫理、あるいは野生の倫理へ(小田切建太郎)
はじめに
1 山ゆかば――Pの経験から
2 居場所の無縁性
3 無縁の倫理、あるいは野生の倫理
おわりに
第9章 動物と植物と微生物のあいだ――『妖怪人間ベム』があらわす反包摂の技法(山本由美子)
1 『妖怪人間ベム』はいまだ読み解かれていない
2 『妖怪人間ベム』の来し方
3 「妖怪人間」とバイオテクノロジー――卵なき誕生
4 母なき繁殖――攪拌と分岐
5 動的編成――性なき遺伝的乱行
6 人間になりたい、いや、人間にはならない
7 失踪の後――来るべき他者
第Ⅲ部 「無価値」な生を肯定する――障害と優生思想
第10章 看護再考――〈大人〉たちへのアンチテーゼ(柏﨑郁子)
はじめに――〈大人〉たちの愚かさを拒絶する
1 看護師が行う看護という概念の構築
2 ナイチンゲールをあらためて読む
3 vital powersを助ける
4 〈老人〉の沈黙に学ぶ
おわりに――無条件の善のための〈こまごま〉したこと
第11章 パラリンピック選手の抵抗の可能性と「別の生」(北島加奈子)
はじめに
1 パラリンピックの起源をめぐる言説と「客観的な」クラス分けがはらむ恣意性
2 フーコーに見るキュニコス派の「別の生」
3 パラリンピックにおける「別の生」の可能性とピアーズの「闘いの生」
おわりに
第12章 脳・身体・音声言語――「正常/異常」の区別を越えて(田邉健太郎)
はじめに
1 前史――「二つの視覚システム」説
2 音声言語処理の二重経路モデル――言語理解と身体性はいかなる経路で処理されるのか
3 言語理解の解明に向けて――言語学と脳科学はどのような関係にあるべきか
4 「正常/異常」の区別を越えて――言語学に対する批判
おわりに
第13章 今いる子どもと未来の子どもをめぐる光と闇――先天性代謝異常等検査と出生前診断のもたらすもの(笹谷絵里)
はじめに
1 国民優生法と優生保護法における出生予防
2 先天性代謝異常等検査の対象となった病気と出生前診断
3 先天性代謝異常等検査の現状
あとがき(河原梓水)
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